君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

「まぁ、俺ももう…花菜以外には考えらんねーから。アンタの気持ちは分かる。」



神弥の言葉に、拓海は顔を上げる。



「でも、まー弟の前でまでウジウジしてるよーな奴には花菜は譲れねーな。」


「!!?」


「今日はこのまま大人しく海外に行くんだな。……アンタが俺よりいい男になった時には、花菜を奪いにこいよ。相手してやるから。」



言うと、立ち上がって伸びをする。



「……もう、2時前だ。行かねーとな。」



拓海も立ち上がると、女装神弥と向き合う。



「次は花菜を奪ってやるよ。……花菜には謝れたしな。」


「かかってこいよ。その頃にはもう手遅れだろーけどな。」



神弥の言葉に、拓海はフッと笑う。


と。



「たーくーみー!もー、いーくーよー!」


「分かってる。今行く、天人。」
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