君は無垢なフリをして───本当は野獣。
「え゙!?高良 天人って拓海の弟だったの?!」
神弥が戻ってくるまでに説明してやる、と色々八神 架琉が話してくれていたのだが。
衝撃の事実…
「《そ。あいつらが小学生の時に親が離婚してたんだってさ。》」
「え、じゃあ…」
泣いてる拓海を見続けるのは辛いっていうのは……
「《高良の兄貴がずーっと泣き言ばっか言ってっから嫌だったんだとよ。プライドが高いくせに情けねぇって。》」
そうだったんだ。
私はてっきり…――
――「お、兄、ちゃあぁああぁん!!!」
ゴッッッ!!!
物凄い音をさせて倒れた八神 架琉。
その背中の上には八神 架琉に重なるようにして、女の子が横たわっている。
「「え……?」」
私も綾香もいきなりすぎて言葉がでない……。
「《クソ!オメーんだよ!ソッコー退きやがれ、愛瑠!!》」