君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
や、確かに初めて見た時とか昨日も初めの方はこんな感じでしたよ…?


けど本性知っちゃった私としては、すんごく違和感がある。



「あ、こんなこと言ってたら何だか僕にくださいってお願いしたみたいで、何だか嫌ですよね。」



…実は俺に譲れよ、コノヤローとか思ってるくせに。



「や、別に…」


「じゃあ、次…お願いしてもいいですか?」


「え、あ、う、うん。」



何なの、そのキラキラした眼差し…



「ありがとうございます。先輩、いい人ですね。」



…ヤバい。


偽りだって分かってても、中野 神弥の笑顔にドキドキしてますよ。


男の子なのに、こんなに綺麗なのは反則だ…っ



「神弥くんっ!」



まだニコニコしている中野 神弥の腕に、先ほどまで一緒にいた女の子が腕を絡める。


大胆だな、おい。
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