君は無垢なフリをして───本当は野獣。
「神弥。」
「ん?」
「初めて返してって、何?というか未来の旦那様だからとか言ってたけど…」
言うと、八神 架琉と視線を通わせ笑う。
「《アイツ、1歳の時から神弥一筋なんだ。だから当然初めての恋なわけ。》」
「で、将来の夢は俺と結婚することなんだと。」
つまり…"初めて"の恋を返してってこと?
愛瑠ちゃんって口は悪いけど、純粋なんだぁ…
「あ、アイツ、何年後かにまた帰ってきて花菜を奪うってよ。」
「アイツって…拓海?」
「そ。俺が女装してったらさ、気持ち悪いってさ。」
じょ、女装……
あ、でも神弥なら美人さんかな。
「本当に好きだったんだとよ。アイツ、でかいこと言う割には肝っ玉ちいせぇな。」
……そんな貴方も私が居なくなるのが怖いとか言ってましたけど…?