君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
そんなこんなで数日が経ち――…



「で?愛瑠に付きまとわれてる訳か。」


「そうなの。私、あんまり勝負事好きじゃないのに…」



神弥の膝の上で愛瑠ちゃんとのことを話す。


と、神弥はクスリと笑う。


「けど、愛瑠の目的は俺とか架琉じゃなくなってるらしいぞ?」


「え?」


「花菜に勝負で勝ったらシスコンに告るんだと。」


「シスコンって、崇大に?!」


「あぁ。一目惚れしたんだと。架琉が甚だ迷惑な奴だって罵ってた。」



の、罵ってたって……


よっぽど愛瑠ちゃんのことが嫌いなのかな、八神 架琉……。



「ま、シスコンは当分大変だな。何だかんだで愛瑠は一途な奴だから。」


「だね。」



私と神弥は互いに視線を合わせると、笑った。
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