君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

「お前らマジうぜぇ。」



金髪頭を睨み付け、帝を一瞥すると、歩みを進める。


「あ、待ってよ、中野くん!」


「「「待ってよ、帝ちゅゎーん!」」」



……何で帝は俺に付いてくるんだよ。


金髪頭たちが呼んでんだから、金髪頭たちと行きゃーいいだろ。


内心イライラしながら、多目的室へと急ぐ。


後ろでは帝が俺を呼ぶ声と、金髪頭が帝を呼ぶ声が入り交じって響いていた。



「……馬鹿ばっかりだな。」



呟いて、自分が微笑んでいる事に気づく。


これが…帝と金髪頭との、俺の(しょ)っぱなの出会いだった。
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