君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「《かーぐやっ。》」


「何。」



幼なじみの架琉が、窓に凭れて俺に話しかける。



「《最近、神弥の周り、賑やかじゃん。》」


「んなわけねーだろ。」


「《賑やかだって。特に金髪の奴らとか。》」


「あぁ、本城(ほんじょう)たちはうるさいな。」



俺の言葉に、架琉は一瞬寂しそうな顔をする。


が、次の瞬間には元の表情に戻っていた。



「《金髪、本城っつーの?他は?つか、あの女の子は?》」


「他2人は杉原と桐島。女は…遠藤 帝。」


「《帝?…へぇー。何かかぐや姫みてぇ。》」


「は?」


「《お前が神弥で、あの子が帝。性別逆だけど、ぽいじゃん。》」



架琉は帝を見ながらフフンと笑う。

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