君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

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――「何だい、神弥。女遊びが落ち着いたかと思えば、ここ最近は塞ぎこんでいるようだね?」


「……ジジイには関係ねーだろ。」


「ジジイとは心外だねぇ。……そうか、神弥は山崎 花菜さんが好きなんだね。」


「ちがっ、そんなんじゃねーし!」



祖父さんは俺が台上に置いていたパンフレットに視線を移しながら言う。


開いたページには首席入学をしたあの人――山崎 花菜が写っていた。



「意地を張らなくてもいいんだよ?君が過去より将来を見るようになったみたいだから、嬉しいよ。」



祖父さんはニコリと笑って席をたつ。


……何で、祖父さんは全部分かってるような物言いすんのかな。


一生…


俺は祖父さんに勝てねぇな。
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