君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

「神弥。約束通り、首席で合格したみたいだね。」


「……別に、約束守った訳じゃねーし。」


「クスクス…本当に口の減らない子だね。誰に似たのかな。」



祖父さんは本当におかしそうに笑う。


俺は無事高校を卒業し、大学に進学した。


一人暮らししたいと言うと、祖父さんは首席合格すればさせてやると答えて。


俺は見事にそれに応えた訳だ。



「あと…君にはサプライズを用意してあげるからね。」


「サプライズ…?」


「どんなサプライズかは、お楽しみだよ。さぁ、神弥。荷造りを始めないとね。」



この時の祖父さんの言葉。

その言葉が何を意味しているのか。


それを理解するのに、然程時間はかからなかった。
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