君は無垢なフリをして───本当は野獣。
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――入学式の後、桜舞い散る中…颯爽と歩くあの人を見つけ、俺の中にある感情の正体に気付く。
それからというもの。
大学入学から数週間経った今でも俺の頭の中はあの人のことばかりで。
帝のことはあまり考えなくなっていた。
「帝…」
時間が過ぎるというのは恐いな。
あんなに大好きだった帝の笑顔も…今ではハッキリとは思い出せない。
「あーぁ…」
こんなにあの人のことで頭がいっぱいになるなんてな。
あの人とは…全然関わりがないのに。
けど……
この気持ちは理屈なんかじゃ言い表せない。
これは、本能で感じたことだと思う。
"俺だけに笑って欲しい"って。