君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
19時以降に分かるだぁ?


何を言ってやがる、クソジジイ。


祖父さんの謎の電話から数時間。


祖父さんのサプライズ――…


あの人が現れた。



「あ!私、山崎 花菜って言います。あの、鬼塚理事長に言われて…ここに来ました。」


「鬼塚…あぁ、祖父ですね。で、祖父に頼まれてというのは…?」



初めて聞いたあの人の声は、思っていたよりも少しだけ低くて。


初めて見た時に同じくらいだと思っていた身長は、俺の方が10センチ以上高かった。



「孫のカグヤって人と暮らしてくれって…」


「…俺と?」



あのクソジジイ。


何を考えてやがる。


確かにこの――花菜サンに会えて嬉しいが。


一緒に暮らすとか。


獣の檻の中に小動物入れるようなものじゃねーか。
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