君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
花菜と共に住み始めて、花菜の従妹――土居からの情報により、花菜が俺に一目惚れをしたということを知った。


花菜も俺の見た目だけを見ているのか。


そう思うと、泣きたくなった。


けど、花菜は。


やっぱり思ってた通りの人で。


大抵の女は俺が相手ならと体を許すのに、「猿と同じだ」と拒否された。


まさか自分がそんなこと言われるなんて思ってなくて。


だから余計に、花菜が好きになった。


あれから色々あって。


花菜の元彼とか、愛瑠とか。


邪魔はたくさん居たけどさ。


俺も花菜も……いつの間にか気持ちが通じあってた。

通じあってるのに、さ。


どうして、今更…


帝から連絡がくる?


しかも何で……架琉宛の電話がかかるんだ。


あの日から少し架琉の様子も変わったし…


あの日、架琉と帝には何があったんだ――…?
< 286 / 385 >

この作品をシェア

pagetop