君は無垢なフリをして───本当は野獣。
―――――――――――
―――――――――
―――――――
――「……ちゃん、花菜ちゃん!」
「へぁ?!…って、綾香。何?」
「何じゃないよぅ。何回も呼んでるのに、花菜ちゃん上の空だったから。」
「あ…ゴメン。」
「…何かあったの?」
心配げに見上げてくる綾香。
「神弥が…最近おかしいの。」
「中野くんが?……もしかして架琉くんが倒れた日から?」
「……うん。」
綾香の言葉で改めて思ったけど、やっぱり神弥は上の空って感じだ。
何かしら考え込んでるというか…
「架琉くんも中野くんもおかしくしちゃう遠藤っていう人は何者なのかな。」
「さぁ……」
うーんと頭を捻る私と綾香。
と、私たちのテーブルに誰かが御盆をのせる。
その方向を見れば、綾香とさほど変わらない大きさの女の子。
「ここ…座ってもいいですか?」