君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
13

座ってもいいかと聞く女の子は可愛らしく、私たちが答えるまで椅子も引かずに待っていて。


綾香と顔を見合わせると、即座に頷く。



「どうぞ。」


「座っちゃてー。」



すると女の子は照れたように笑うと、椅子を引いて座った。



「あの、私、樋口 ミカドっていいます。」


「ミカドちゃん…?」



ミカドと名乗る女の子に、首を捻る綾香。



「今日編入したばかりなんです。」


「あぁ!だから名前だけじゃ分かんないんだ。」


「ミカドちゃんは何年生?」

「あ、1年生です。」



1年生……


じゃあ、神弥たちと同じなんだ。



「あの、慣れるまで一緒にご飯食べさせてもらってもいいですか?」
< 295 / 385 >

この作品をシェア

pagetop