君は無垢なフリをして───本当は野獣。
13
座ってもいいかと聞く女の子は可愛らしく、私たちが答えるまで椅子も引かずに待っていて。
綾香と顔を見合わせると、即座に頷く。
「どうぞ。」
「座っちゃてー。」
すると女の子は照れたように笑うと、椅子を引いて座った。
「あの、私、樋口 ミカドっていいます。」
「ミカドちゃん…?」
ミカドと名乗る女の子に、首を捻る綾香。
「今日編入したばかりなんです。」
「あぁ!だから名前だけじゃ分かんないんだ。」
「ミカドちゃんは何年生?」
「あ、1年生です。」
1年生……
じゃあ、神弥たちと同じなんだ。
「あの、慣れるまで一緒にご飯食べさせてもらってもいいですか?」