君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

「ぜぇん然いーよぅ。ね、花菜ちゃんっ。」


「うん。私たちは構わないよ?一緒に食べよ。」



答えれば、満面の笑み。


この子、よく笑う子だな…

何だか綾香が2人いるみたいだ。



「ありがとうございますっ!」



こうして。


ミカドちゃんとご飯を一緒に食べるようになった訳だけど。


何でだろう。


見回せば、明らかにミカドちゃんに合いそうなタイプの女の子が座っているテーブルはいくらでもあるのに。


わざわざ年上の私がいるテーブルを選ぶなんて…



「花菜ちゃん?また考え込んで、どうかした?」


「ううん、何でもない。」



綾香に同じ匂いでも感じたのかな?


雰囲気とか凄く似てるし。

ただ、何かしら綾香とは違う気がするけど。
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