君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

「ねぇ、神弥。八神 架琉とその…遠藤さんとは、何かあったの?」


「俺も分からねぇから…聞いたけど、何も言わなかった。」


「……そっか。」



神弥は何だかんだ言っても、八神 架琉を大切に思ってる。


綾香も八神 架琉は神弥が大好きみたいだって言ってた。


喧嘩するほど仲がいい、っていうのを具現化したような2人なのに。


八神 架琉はどうして神弥に何も言わないのかな。


神弥がこんなに悩んでいるのと同じように…八神 架琉も何かに悩んでいるのかな。



「花菜。」


「うん?」


「今日は抱き締めて寝てい?」



神弥は本当、大人なのか子供なのか分からないな…



「いいよ。私で神弥の気持ちが少しでも晴れるなら。」

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