君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

｢………抱き締めて寝てもいいかって、本当に抱き締めて寝るだけなんだね。｣


｢何、エロいこと想像したの？｣


｢んーん。神弥にしては珍しいなって思っただけ。｣


ふふっと笑って神弥の方へと寝返りをうつ。



｢まるで俺がエロいことしか考えてねぇみたいに聞こえんだけど。｣


｢あれ？違った？｣



言えば、クスリと笑う。



｢まぁ、違わねぇ。｣



……良かった。


神弥が笑ってる。


いつもみたいに、笑ってる。


考え混んで上の空な神弥を見るのは少し辛かったけど、神弥が笑うだけでそんなことは一瞬で変わる。


……あんなに神弥を拒んでいたのに。


いつの間にか私は…神弥に一喜一憂させられてる。