君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「あ、はははっ!そか、そか。じゃ、じゃあ、行ってくるね!」



顔…引きつってないかな。

上手く…笑えたかな。


弟の前でなんて、お姉ちゃんとしてはあんまり泣きたくないもんね。



「【不細工。】」


「?!」


「【嘘だよ。……今日行って、"嫌になったら"戻ってこいよ。】」


「うん。」



……ん?


"嫌になったら"って…



「【ほーら、早く行けよ。】」



ドン、と背中を押す。



「うんっ!」



崇大に背を向けると、神弥の元へと駆け出した。


例え、もう一緒に居られなくても……


一緒に居たいって、伝えよう。
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