君は無垢なフリをして───本当は野獣。
何だぁ、そっか。
「帝に花菜を道連れにするって言われて、帝にいいようにされて。花菜には辛い思いをさせて…ゴメン。」
「ううん。いいよ、謝らないで。神弥は優しいから、命を投げ出す覚悟の帝ちゃんを放って置けなかったんだよね。」
きっと……私も拓海にそれをされていたら、神弥と同じようにしていたと思う。
「帝ちゃん…幸せになれるかな。」
「……帝なら、大丈夫。」
確証はないけれど。
今日の彼女の笑顔を見たとき…帝ちゃんならまたやり直せるって、感じた。
「…花菜。」
「ん?」
「また…俺と暮らしてくれる?」
ジッ、と見つめる。
そんな神弥に軽くキスをすると、抱き締め返す。
「うん、もちろん!」
「ありがとう…花菜、おかえり。」
「ふふ、ただいま。」
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