君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
八神 架琉とこれから先なかなか会えなくなっても、大学を無事卒業出きるまでは泣き言は言わないと宣言した綾香。


卒業したら八神 架琉と一緒に住むんだって。



「なぁ、花菜。」


「んー?」


「今から海いかねぇ?」


「海?」



何をいきなり言い出すんだ、この子は。



「あぁ、海。そこで2人の今後について語らうんだ。」


「【いや、まだ寒いだろ。】」


「それに、まだ先生の話は終わってないよー?」



皆に言われて、少し口を尖らせる神弥。



「《くはは!良いように言い訳しとくから、今から行ってこいよ。》」



拗ねる神弥を笑って、八神 架琉は私たちの背中を押す。



「サンキューな、架琉。」


八神 架琉に笑顔で応えると、神弥は私の腕を掴み、講堂を抜け出した。
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