君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

「緋那、ね。」



神弥のお姉さんなら…きっと美人さんだったんだろうなぁ。



「な、いいだろ?」


「ふふ。うん、いいよ。」


何だか神弥って、出会った時より凄く子供っぽくなってる気がする。


崇大に言わせると、



「【花菜が甘やかすからだろ。】」



らしいけど。



「んー。じゃ、子作りでもしますか!」


「はぁ?!何馬鹿言ってんだよ!!」


「花菜、マジギレすんなよ…。」


「か、神弥が馬鹿な事言うからじゃん!」


「馬鹿な事じゃねーよ。俺は本気で早く子供の顔が見たい。」



真顔で言う神弥に、持っていたバッグを投げつける。


「いって!何すんだよ!」


「神弥の変態!私、帰る!」

「ちょ、待てって!」



腕を掴まれて、神弥の腕の中に抱き寄せられる。
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