君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「《…何、あんた。》」



八神 架琉は今にも〝はぁ?〟と首を(かし)げそうな表情で呟く。



「《悪いけど俺、貧乳には興味ないから。あと、あんたみたいな童顔は好みじゃない。》」


「え…っ」


「《残念だけど他を当たって?》」



言うだけ言うと、八神 架琉は胸くそ悪そうに歩いていった。


コスコスに言われた綾香は放心状態。


中野 神弥はまたかって感じで溜め息を吐いて、プレートを机に置いて腰を下ろした。


…ちょっと何あれ。


何が王子ですって?


性格悪いの、前面に押し出しまくってるじゃない!


瑛ちゃんはクールだって言ってたけど、冷徹(れいてつ)の間違いじゃないの?!


というか、何様!?


貧乳に興味ないとか、童顔は好みじゃないとか!


世界はあんたを中心に回ってんじゃないのよーっ!!

< 42 / 385 >

この作品をシェア

pagetop