君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「――――いい加減、叫ぶの止めろよ。あんたの従妹は気にしてないって笑ってただろ。」


「な…っ、あんなの、強がりに決まってんでしょ!」



あの後。


暫く放心状態だった綾香は、ハッと思い出したように元に戻り、



「あはは~。またやっちやった。しかも貧乳の童顔って言われちゃった…。でも、気にしてないよ!心配しないで、花菜ちゃん!」



と笑った。


その後は何ともないように振る舞って、ご飯を食べてたけど…



「納得いかない!」


「……何が。」


「あんたの友達よ!」


「友達?」


「八神 架琉!」


「…あぁ。」



一緒に住むことになってまだ数日しか経ってないけど、私は理解した。


中野 神弥は、裏と表の差が激しすぎる。


(特に王子の時があまりにも人当たりがいいから…)
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