君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
八神 架琉は、謎の言葉を残して去っていった。



「今から大変だろうけど頑張って…?」



どういう意味…?


だけどその意味は、案外すぐに理解できた。



――「ちょっとあんた!」


「何、架琉くんと馴れ馴れしく話してんのよ!」



自称、八神 架琉親衛隊〝YAGAMI〟を名乗る5人組に囲まれた私。


頑張ってって、こういうことね…


目の前で私を睨む女の子たちをチラリと見ながら溜め息を吐く。



「…何?」


「何、じゃないよ!」


「皆の架琉くんに馴れ馴れしいって言ってんの!」



馴れ馴れしいと言われても………



「しかも架琉くんに笑いかけてもらえるなんて!」


「架琉くんは滅多に笑わないのに…っ」


「「「「「羨ましい!」」」」」



失礼ですけど…


どこが?
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