君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
と。


偶然、私たちの方へと近づいてきていた八神 架琉が綾香を視界に入れた――…










――「《な、んだよ、その顔!は、ははははっ!すっげぇ…腹痛ぇ…はははっ!》」










そんなに笑わなくても…と突っ込みたくなるくらい、腹を抱えて笑う。



「架琉…笑いすぎじゃない?」



さすがの王子・神弥も八神 架琉に突っ込む。



「《や、だってよ、神弥。この顔…はははっ!》」



八神 架琉は話せないほど爆笑している。


ふと廊下の端を見ると、八神 架琉親衛隊が壁に隠れて頭だけを出し、八神 架琉に見惚れていた。



「「「「「あぁ…っ!架琉くんの笑顔、素敵…っ!!」」」」」



……完全に乙女チックモードだ。



八神 架琉に爆笑されている当の綾香は、うるうると瞳を潤わせていた。
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