君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「ちょっと!何で崇大にそこまで言われなきゃいけないのよ!」



言うと、鼻で笑われた。



「【そこまでって、本当の事だろ。】」


「…喋ってないで座ったら?崇大。」



あははっ!


母さんに言われてやんの。


崇大は渋々椅子に座る。


と――――…



―――ヴゥ゙ヴヴゥ゙…ッ




「【花菜、携帯鳴ってる。】」


「言われなくても知ってるよ!」



崇大に言いながら、ポケットから携帯を取り出す。


『着信:綾香』


…ん?


綾香?


時間は…20時42分。


何だろ。


こんな時間に珍しい…



「…何?綾香。」


《あ!花菜ちゃん!あのね、大変だよぅ!》


「え?何が?」


《教えてって言うから、花菜ちゃんの家を教えちゃったの!》



教えてって…誰が言ったのさ。
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