ある冬の日の物語



教室に先生が入ってきて改めて自己紹介された。



「転校生の冬川舞蝶くんだ。みんな仲良くするように!」

「冬川舞蝶です。舞う蝶と書いてアゲハって言います。みなさんよろしくね!」


冬川舞蝶。

蝶子じゃなかった。

見た目が似ているだけで死んだ蝶子じゃなかった。

一瞬だけ一喜一憂して馬鹿みたいだ。

もう蝶子はいない。

いないんだから…

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