ある冬の日の物語



徹の手を振り払った。


「お前に何がわかんだよ。忘れなくていい?簡単に言うんじゃねえよ。お前にはわからねえよ」

「陽斗………」


泣きそうな顔を見られたくなくて、背中を向けた。


「冬川、さっきは言いすぎた。ごめん…」

「私の方こそごめんなさい。しつこくて、図々しかったよね……」

「俺は最低だからもう関わらないでほしい。お願いだから」


陽斗は涙を流しながら雨降る外に飛び出した。

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