ある冬の日の物語



「…………」


嫌でも朝が来る。


窓から日差しが差し込み、光が眠りを妨げる。

カーテンを開け、窓をガラガラと少ないが雪が溶けずに積もっている。

そして、目覚まし時計が鳴り響く。

呆然とうるさく鳴り響く目覚まし時計の音を数分聞いて止める。

それが日課となっていた。

以前とは違う。


以前は………大好きな彼女のモーニングコールで起きていた。

自分からお願いして嫌々だったが学校がある日だけ必ずかけてくれた優しい彼女。

だけど、そんな彼女はもういない…

朝が苦手だったはずが今では嘘みたいに朝日や鳥の鳴き声で不思議と起きてしまう。

< 2 / 29 >

この作品をシェア

pagetop