ある冬の日の物語
陽斗の両親も泣きながら陽斗を抱きしめると共に蝶子の両親に頭を下げた。何度も何度も。
謝って済む問題とは思っていない。
ただ今はそれしか方法はなかった。
罵ればよかったんだ。
打てばよかったんだ。
そうすれば自分は蝶子を殺した重罪人だと認めることができたのに。
思い出したくない過去を思い出し、涙が止まらなくなってしまった。
「そうだよ、俺は重罪人なんだ。蝶子を殺したのは俺なんだよ………」
「違う!!あなたは違うよ!!」
俺はだれかにそうだと肯定してほしかったんだ。
『お前が悪い』って言ってほしかった。
「陽斗くん危ないっ!!」