秘密で出産したら、溺れるほどの愛を注がれている。
ピピピッピピピッピピピッ

「ん…。ふぁ~」

朝5時。
1日の始まりを告げる目覚まし時計の無機質な音。
隣で気持ちよさそうに寝ている息子の怜也(りょうや)を起こさないように布団から出て、布団を畳む。

「ん~。よしっ。」

軽く手で両頬を叩いて気合いを入れる。

パジャマからラフな部屋着に着替える。
初めに洗濯を回し、すぐに部屋を軽く掃除する。朝は毎日時間との戦いだ。
洗濯が終わると、掃除を辞め、せっせと洗濯物を干し、ベランダに出す。

テレビをつけると、政治や芸能界のニュースが飛び交っているが、ゆっくり見ている時間などない。
アナウンサーの声を聴きながら、朝ごはんの準備をする。
ご飯を炊いて、昨日の夜のお味噌汁に火をかける。
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