生きていこう。それがいいんだ。


『まぁ俺の場合は、“自らの意思”なんて関係無くレールを外されてたけどな。』


「お父さんは警察官僚のち閣僚。お兄さんも初当選から負け無しの衆議院議員。

自分が生まれた家や環境によっては、

“この世に生まれた瞬間”から背負う物はありますよね。」


『兄貴はガキの頃からその背負う物に応えて、俺は応えられず父さんから見放された。

・・・クソガキだった頃から味わい続けた劣等感をお前にも教えてやろうか?』


「・・・・・・・・。」


『・・・・・・なんだよ?』


「あなたはその“劣等感”を・・
どうやって発散していたんですか・・?」


『・・・・・・・・・・・。』


「まさかとは思いますが、【他人に向けて】発散なんてしてないですよね・・?」


『・・・・・・・・・。』


「僕の仲間が今、東京へ行ってあなたの学生時代を中心に聞き込みをしています。」


『だからなんだ?何も出てこやしねぇぞ?』


「だったらあなたの口から教えてください。」


『・・・・・・・・・。』

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