生きていこう。それがいいんだ。


「私が思いついた作戦はこうです。

もう一度立石氏を捕まえて、
頑張って記憶を呼び起こして頂き、

色や形やロゴやマークなどの、
【ヘルメットの特徴】を聞き出します。


なんでしたら先にバイク用品店へ行って、
カタログを貰ってきましょう。

彼と一緒にチェックして、
犯人が被っていた物を割り出します。」


「該当する物が見つかったら、
静岡中のバイク用品店を回って、

購入者を洗い出す・・・!?」


「はい。お店の方が覚えていなくても、

レジの記録とその時の店内防犯カメラで、
購入者の当たりはつけられるはずです。」


「なるほど・・・・。」


「あとは私と星野君が生まれ持つ“運”次第ですね。

もし犯人が被っていたヘルメットが、最近発売されたばかりの新しい物であったり、

あまり出回っていないレアものだったら、より購入者は限定されてきます。」


「その逆で、もし元々犯人はバイク乗りで、

元々持っていたヘルメットを使っていたとしたら、

購入は大昔かもしれないから履歴を追うのは不可能でしょうね・・。」


「更に、そもそも進化した今の時代、

スマホ片手にネット通販で購入していたら完全な無駄足になります。

鬼が出るか蛇が出るか・・
やってみますか?」


「豊川さんからは“被害者との向き合い方”を学んできましたが、

関本主任を初め、仲間の皆からは“刑事は靴底減らしてなんぼ”と学びました。

例え空振りに終わっても、やれることはなんでもやりましょう・・!」



「“突破口”とは言いがたい小さな光ですが、

もし“購入者”と“立石氏の心当たり”が繋がる人物が見つかったら、

戦局はこちらが一気に逆転します。

ここまで完璧を演じる犯人をぎゃふんと言わせてやりましょう。」


「はい・・!」






第7章 完













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