生きていこう。それがいいんだ。
「でも、シズカの言った通り、
すぐはやめておこう。
警察は現在、絶賛犯人捜索中だから、
彼らが諦めたら開始でいいかな?」
「うん。今のうちに中3レベルまで総復習しておく。」
「捜査のほうはこっちの思惑通り難航してるみたいだから、もう少しだけ辛抱だね。」
「うまくいってるの?」
「シズカのおかげで完璧に進んでる!
警察はまだ“馬鹿息子と俺”という関係性にすら辿り着けてない。
なんか色々想定して準備したのに、
逆に拍子抜けって感じ。」
「じゃあもし“動機を持つ人間=タケル”の事実に辿り着いても、
そこからタケルの事とか当日のアリバイの事を調べて、
“タケル=犯行不可能”という壁に当たるんだね。」
「そうなれば捜査は白紙に戻る。
やっと容疑者候補が見つかって勢いづく中で“白”と分かった時のダメージは相当だと思う。
・・これで彼らも諦めモードに入ってくれたらいいんだけどねぇ。」
「・・・なに?まだ霊媒師刑事のこと気にしてるの?」
「・・・そこなんだよなぁ・・
たった一つの懸念材料・・。」
「・・タケルしつこすぎ。」
「取れる防衛策は取ったから大丈夫だと思うけど、
俺なんかじゃ考えも及ばない所から彼らがアプローチしてない事を祈ってるよ。」
「・・・・・全然話変わるけどいい?」
「うん?」
「タケルってさ・・・
好きな食べ物とか・・ある?」
「ハハッ。そういえば俺達って、そういう“普通の会話”してこなかったね。」
「タダで家庭教師やってもらうわけにもいかないから・・・ご飯ぐらいは奢る。」
「なになに?
シズカがお弁当作ってくれるの!?」
「・・別にそれが良いんなら作るけど。」
「フカヒレ!」
「・・・・・・・・はぁ!?」
「あとキャビア、ウニ、松茸・・。」
「そんなお弁当あったら逆に見てみたいんだけど!!」