生きていこう。それがいいんだ。
<犯人は【左利き】っす!!>
「どうして分かったの?」
<ごめんテツさんヨシト君。
どうしようも無くなって、
親父に助けを求めたっす。
関係者外の人間に捜査資料送ったのは内緒ね!>
長くんは、父、母、二人の兄。
一家まるまる警察官で・・
しかもみんなそれぞれ勤務する全国の各警察署の、鑑識班に所属しているらしく、
“ベテラン鑑識お爺ちゃん”として、
どこかの署で活躍しているお父さんにも見解を求めたとの事だった。
<オレが見落としてたヒントを親父がくれました。【傷口の深さ】っす!>
「傷口というと・・両脇腹・・!?」
<そう!左脇腹より右脇腹のほうが深かったっす!
つまり、左手で刺した時のほうが力が強かったことになります。
そこから“左利き説”を確定する為に、
再度遺体を検死してみたっす!>
「「・・・・・。」」
<ダメ押しでもう一つ見つけました。
【傷口の形状】から推測するに、
凶器は片刃の出刃包丁で・・・>
「片刃ということは右手用と左手用が存在する・・・ということは・・!?」
<ヒュー!豚肉で死ぬほど実験したので、
今ならオレも誰か暗殺できるっすよ!!>