生きていこう。それがいいんだ。
『・・・テッちゃん。』
「・・・。」
加賀さんと豊川さんが目を合わせて無言の会話を交わしている。
さすが同期の二人というか・・
梅田課長同様、加賀さんとの連携も必要以上に言葉を介さずとも出来るらしい・・。
「星野君。」
「あ、はい。」
「ひとまず当時の被害者、藤堂ミホさん周辺の人物を簡単に洗いましょう。
当時の恋人や家族・兄姉弟妹。
本当に犯人が立石氏だったら、
動機を持つ人物がこれで浮上します。」
『但しだ星野・・。お前達は引き続き“ヘルメット”の線から捜査を続けたほうがいい。』
「どういう事でしょうか?」
「板尾警部の事なので、
とっくに藤堂ミホさん周辺の人物から“当たり”をつけて調べたはずです。」
『それなのに、
わざわざその情報を星野へ流して、
逆に星野側が掴んでる情報との“交換”を要求してきたって事は、
恐らくあいつは今、
壁にぶち当たってるに違いない。』
「つまり・・その人物は犯人ではない・・?」
「アリバイが確認できた等、
きっと今回の立石氏殺害には結びつけられなかったんでしょう。」
『・・だったらそう言えってのになぁ。
相変わらず板尾は食えねぇ男だわ。』