生きていこう。それがいいんだ。

『俺を視る目は変えないのか？』


「死者となったあなたへ、今さらその事について攻撃してもしょうがありません。

・・・決して同情もしません。」


『惨めなもんだろ・・？

父さんに見放されて、
劣等感に押し潰されて、

他人への危害で発散して・・・

結果、見放されたはずの父親に救われたんだからな。』


「きっと、あなたの為ではありません。

身内の不祥事は自身のスキャンダルへも繋がります。」


『そんな事は分かってる。
分かってるが・・・・・・。』


「・・・・・・・・・・・。」


『ガキの頃以来・・見放されて以来・・
父さんが俺へ気を向けてくれた・・。

俺を静岡に隠居させて・・
正妻を用意してくれて・・

父さんが・・俺へ気を回して動いてくれた・・。』


「藤堂ミホさんのお兄さんと接点はあったんですか？」


『いや・・・全く無かった・・。

でもあの女の首を絞めてる間ずっと・・

“・・ｵﾆｲﾁｬﾝ・・”
って微かな声で助けを求めてた。

だから兄貴がいる事は知ってた。』


「・・・・・・・・・・・・。」