生きていこう。それがいいんだ。


『何年かした後・・あの時の仲間の一人が不自然な事故で死んだ。

そのすぐ後にもう一人も自殺で死んだ・・。

俺の頭の中に・・あの女が死ぬ間際に呟いてたSOSがずっと響いていた・・。』


「いつの日か、藤堂タケルが自分の前に現れて復讐を果たす。

そう思っていたからこそ、あなたの“心当たり”に彼がいたんですね・・。」


『仲間が殺されて、次は俺だと覚悟した。

でもあの女の兄貴は俺の前へ一切姿を現わさなかった。

そうこうしてるうちに何年も経過して、

その間に父さんが俺を静岡へ逃がして・・・・家族を作らせてくれて・・。


だけど、あいつはきっとどこかで俺を監視してる。

絶対に俺の命を奪いに来る。
そう分かっていたからこそ・・

“家族”へは・・・
【無関心】を装った・・。』



「結婚してからも派手な夜遊びを続けていたのは、

ご家族が巻き添えを食らわないようにする為だったんですね・・。」


『俺にそんな“資格”があるとは思ってない・・。だけど・・・妻と娘・・・・

見放されたはずの“家族”という存在にまた出会えて・・

・・・俺は・・・・・・。』


「“立石カズマの幸せ=奥さんと子供”

確かに、藤堂タケルがそう察したら、

間違いなく、“その幸せを奪ってやる”と彼は考えるでしょうね・・。」


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