生きていこう。それがいいんだ。


―――――― 




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「・・・おにいちゃん・・・」


「・・・ウーン・・ドウシタノ・・ミホ?」


「・・・・・・。」


「フワ~ァァ・・。
あれ?まだ朝じゃないよ?」


「・・おにいちゃんおねがい・・
おトイレついてきて・・。」


「ハハッおばけがこわくなった?」


「・・・・・・・・・。」


「いいよ。いっしょに行こっ。」


「ありがとう!」

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「すみません!
藤堂ミホさんのお兄さんですよね!?」


「・・・・・・・・・・・・・。」



「才朝新聞の者です!妹さんを亡くした今の率直なお気持ちは!?」

「毎読新聞の田中です!遺族として何かコメントはありますか!?」


「テレ朝の鈴木です!

お二人とも大学進学で上京して、
一緒の部屋で生活されてたんですよね!?

ミホさんとは仲が良かったんですよね!?
突然亡くなって哀しいですよね!?

夜のニュースで映像使いたいので、出来れば泣きながらコメントしてくれませんか!?」








「あ~あ~。世間の興味を惹けそうな事件となると、こぞってマス“ゴミ”が沸いてくるねぇ。」


「・・・・・・・。」


「兄ちゃん、
よく我慢して取材に応じたな。」


「あなたもマスゴミの人ですか・・?」


「それよりもっと酷いゴキブリみたいなもんだ。

週刊モアイの高松。
よろしく。名刺渡しとく。」


「・・・俺にコメントを求めなくていいんですか・・?」


「オイラが求めてるのは、お涙頂戴の悲壮感記事じゃないからねぇ。」


「・・・・・・・・・。」


「じゃあまたな。

妹さんの事件について、進展があったら警察よりも早く兄ちゃんへ教えてやるよ。」
























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