生きていこう。それがいいんだ。
いつの間にか・・
空がだんだんと明るくなり、
日の出の時間が近づいていると察せた。
タケルさんと黒田さんを残して、
豊川さんと公園を出る。
「・・・・・・星野君。」
「・・・・・?」
「申し訳ございませんが、
君はこのまま残って頂けますか?」
「え・・・・・・。」
「先ほど、ああは言いましたが、
黒田さんが本当に自首してくれるかは正直言って五分五分です。」
「・・・・・・・・・・・。」
「“悪い方の五分”へ転んでほしくなかったので、先ほどあえて言及しませんでしたが、
今の状況で彼女は逮捕できません。
・・状況は依然、
私達の圧倒的不利が続いています。」
「確かに・・“物的証拠”がありませんからね・・。」
「自首さえしてくれれば・・
ガサ入れさえ出来れば・・
この事件は本当に決着します。
ヘルメット、手袋、スポーツウェア、
出刃包丁、厚底靴。
どれか一つでもこちらの手中に収まれば、天才鑑識官が細胞一つでも見つけてくれます。
ですが、彼女がそれを処分したり、
それ以前に【逃亡】を謀ったら、
その瞬間、私達の敗北が確定します。
・・・まさに今は紙一重の展開です。」
「・・はい・・・・。」