生きていこう。それがいいんだ。
『奇跡が起きたと思った。
死者になって5年。
探し続けて5年。
無視されるのが当たり前だったはずなのに・・あの日・・
たまたま現行犯で目撃しちゃった万引き少女に声を掛けたら、返事をしてくれた・・。』
「・・“少女”って言うほど・・
若くないから・・。」
『ハハッ、盗撮でも万引きでも、バレないように五感を究極に研ぎ澄まして、
周囲に注意を払って生き続けてきたから・・
きっとシズカの感性の中で、”第6感”が目覚めちゃったんだと思う。』
「・・・・・・・・・。」
『俺の方が死者なのに・・俺の方がいきなり姿を見せて驚かせたのに・・
まぁ~めちゃくちゃビックリした。
まさか話し返してくるとは思わなかったから、ビックリ仰天で必死に平静を装ったよ。』
「・・“接近禁止令”は・・・
ウソだったの・・・・?」
『・・・ごめん。
“俺一人では出来ない”っていう事実をどうやって“リアル話”として信じ込ませるか・・
あの場で咄嗟に思いついた。
大学時代にずっとそっち方面のこと勉強してて良かったと思ったよ。』
「・・“割りとホント”って・・
“一部はフィクション”
っていう意味だったんだね・・。」
『・・そうだね・・。』