生きていこう。それがいいんだ。
「・・・“無言電話”は・・
どうやったの・・?」
『ハハッ・・めちゃくちゃ頑張れば、夜道に影を見せるぐらいは死者にも出来るけど、
さすがに電話を掛けるのは無理だからね。』
「・・・・・・・・・・。」
『多分だけど・・この5年で体感したざっくり概算だけど、
1,000万人に1人いるかいないかぐらいの割合で、ホントに死者が視える人がいる。』
「あの刑事達も・・私も・・
その一人って事・・?」
『東京でも一人見つけたんだ。』
「え・・・・・。」
『もの凄く幸運なことに、
その人物は馬鹿息子じゃなくて父親のほうと、ちょっとした因縁がある人だった。
あの大臣も相当な過激政治家だから、周りに敵が多かったのが功を奏したのかな。』
「・・・・・・・・。」
『でも、さすがに殺人まで請け負ってくれる因縁には思えなかったから、
詳しい話は一切しないで、“馬鹿息子にイタズラ電話かけてくれませんか?”って頼んだ。
2つ返事で引き受けてくれたよ。』