生きていこう。それがいいんだ。


「・・・私以外にも・・
利用してた人がいたんだね・・。」


『・・・・・・・・・・。』


「・・・・・・・・。」


『“利用してた”・・か・・・。

うん・・そうだね・・・
豊川刑事が言ってたように・・

俺は自分の欲望の為に、
とんでもない罪を犯した。

シズカを巻き込んで・・・
シズカに一生の傷を負わせた・・。』



「ねぇタケル・・・・。」


『うん・・・?』


「もし・・私達が警察に勝って・・

“ほとぼりが冷めて”たら・・・
どうするつもりだったの・・・?」


『・・・・・・・・・・。』


「私に正体がバレる前に・・消えて居なくなるつもりだったの・・・?」



『勉強を教えるつもりだった。』


「!!?」


『全てをシズカに打ち明けて、この体は全てを“すり抜ける”って事を正直に話して、

シズカの部屋へお邪魔させてもらって・・一緒に勉強頑張って・・

絶対に高卒認定試験を受からせる。

それが俺に出来る・・
“本当の恩返し”だと考えてた。』


「・・・・・・・・・・・・・。」

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