生きていこう。それがいいんだ。


「その女性も・・・
種類は少し違うけど・・

君と同じように恋に破れて、

自分の命を捨ててまでも、“愛しく想う人に会いたい”と願って・・

・・自ら命を絶った・・・。」


「・・・・・・・・・。」


「初めは“事件の被害者”として、
僕は“刑事”として向き合った。

全ての真相が明らかになって、結果的にその女性は僕を騙していた事が分かっても・・

僕は“話をしたい”と強く想った・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「あの時は分からなかったけど・・
その時は気付いてなかったけど・・

今こうして振り返ると・・

僕は“刑事としてあるまじき想い”をその女性に寄せてしまっていたんだと思う・・。」


「・・・・・・・・・・・。」



「君がどんな人生をこれまでに歩んできたのか・・

どれほど苦しくて辛い道を歩き続けたのかは僕には分からない。

でも黒田さんだって、
同じじゃないか・・?

君は自らの命を捨てられるぐらい・・

【人を愛する事が出来る女性】
じゃないか・・?」


「・・・やめでよ・・・・・。」


「“安っぽい台詞”なんて、
勝手に決めつけちゃダメだよ?

“生きてれば良いことあるよ”
の何がダメ・・?

“生きる事”の何がダメなんだよ・・?」


「・・・スッ・・アァ・・アァアア・・!」


「タケルさんへ叶えられなかったその想いは、いつかきっと新しい愛へと変わって、

巡り会っていくよ・・?

罪を償ったその先・・
君は必ず幸せを掴めるんだよ・・!?」


「アァァ・・アァアアア!!!!」











気がつけば・・その温もりに・・
私のほうから身を委ねていた・・。

掛けてくれる言葉に・・
私のほうから耳を傾けていた・・。


“死んだらダメだ”・・
“生きろ”・・・


自分の弱々しい鼓動が左胸から鳴って・・温もりから伝わる力強い鼓動が右胸に伝わる・・。


ぎゅっと抱きしめられるその鼓動が・・

5分前までの・・この世界から消えようとしていた自分の心を消し去っていく・・。



「・・スッ・・ヒック・・
・・・星野さん・・・。」


「うん・・・・。」


「・・ごめんなざい・・・
ごめんなざい・・!!」


「うん・・・うん・・・。」


「スッ・・ヒック・・・・。」


「黒田さん・・。また“安っぽい台詞”って怒られるかもしれないけどさ・・。」


「・・・・・・・。」


「・・・生きていこう・・・。
・・それがい










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