生きていこう。それがいいんだ。
「当事者が死んでは、セイズ署の刑事達が何を喚こうが証拠不十分ですよ?
所詮君たちは所轄の兵隊。
ピラミッドの一番下にいる人間が、
何を喚こうが関係ありません。」
「・・・・・・・・・・・。」
「しかしまぁ・・豊川刑事も歳を取ってしまったようで少しがっかりしました。
私が知るあの“一匹狼”さんだったら、絶対に最後の詰めも自分で行っていたはずです。
私が屋上へと足を踏み入れた瞬間、
その気配を察知し、私が銃を抜く前にデコピンで返り討ちにしていたはずです。
・・私が一目置く数少ない人間でしたが、
こんな刑事になって間もない若造に全幅の信頼を寄せて自分は身を引いてしまうなんて、
あの人も耄碌してしまったようですね。」
「・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・さぁ無駄話もここまでです。
さっさとその女をこっちに寄越しなさい。
それとも君から死にますか?」
「・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。」
いきなり現れた拳銃男と話している間・・
苦しそうに起き上がった星野さんがずっと・・私の前に立って・・
その大きな背中で・・
銃口から私を守ってくれていた・・。