生きていこう。それがいいんだ。
「ゴホッゴホッ!君も吸いますか?」
「はい。1本ください。」
「・・・・ゴホッゴホッ!
ゴホッゴホッゴホッゴホッ!!」
「そんなにビックリしないでください。
冗談ですよ。」
「冗談を仰るなら、ちゃんと分かるようなテンションで言って頂けると助かります。」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・顔つきがまた一段とカッコよくなりましたね。
今回の事件でまた一段、階段を昇ったと言ったところでしょうか。」
「豊川さんのおかげです・・・。」
「・・・・・・。」
「さっき、トイレで用を足してたら、加賀さんがニョキッと現れて教えてくれました。
豊川さんって本気出せば・・・
陸上選手並に足速いそうですね・・。」
「昔の話です。今では50目前の、
ただのオッサンです。」
「ありがとうございました・・。
僕に“最後の詰め”を一任して頂いて。」
「・・・・・・・・・・。」
「思い返せば、豊川さんがクライマックスに一切登場しなかったのって初めてですよね?
お陰で僕はまた一つ・・
刑事として、男として・・
強くなれた気がします。」