生きていこう。それがいいんだ。
場所は違うけど・・
高さは違うけど・・
再び・・私の視界に広がる・・
“最上階”の光景・・。
星野さんが私から離れて・・
もし全力で駆け出したら、
絶対に追いつけない距離まで離れた場所にあるベンチへと腰掛ける。
「・・・・・・・・・・・・。」
手錠を外されて、一時的に自由になった身。
あのマンションよりは高くないけど、
もし全力で駆けだしたら、
絶対に逝けるあの柵の先・・。
「・・・・・・・・・。」
だからそこには一切近寄らずに・・
私も星野さんの隣に座った・・・。
「もう大丈夫だね。」
「うん・・・・。」
「“屋上”ってさ、結構景色が良いんだよ。
この場所は、命を終わらせる場所でも、
拳銃を発砲する場所でも無い。」
「・・・・・・・・・・・。」
「昼は活気が溢れる景色。
夜は色んな光が灯る景色。
思いっきり豊川さんの影響を受けたからだけど、
僕もこの場所がいつの間にか好きになってた。」
「“トラウマ”にならないように・・
また連れてきてくれたの・・?」
「君は未成年という事もあるから、
再出発の道はすぐにまた訪れる。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「だから、その道の途中でまた立ち止まりそうになってしまったら、
ここで見た綺麗な景色を思い出すと良いよ・・・っていうイチ警察官からアドバイス。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・。」