生きていこう。それがいいんだ。
「私・・絶対に言えないけど・・
“余罪”があるの・・・。」
「え・・・?」
「だから・・その分もちゃんと償う。
その分もちゃんと・・
今回の殺人と合わせて・・
この先・・自分に何が出来るかちゃんと向き合う・・。」
「・・・・・分かった。じゃあ余罪については聞かなかった事にする。」
「・・・幸せになれるかな・・?」
「・・・・・・・・・・・。」
「全ての償いが終わった後・・・
私みたいな犯罪者でも・・
幸せになれるかな・・?」
「大丈夫。人それぞれ大きさとか形は違うけど、“幸せ”が訪れるから僕達は生きてるんだよ。」
「私も・・まずは・・
“場所”を見つけるね・・。」
「・・・・・・。」
「いつか・・またゼロから生きていく日が始まったら・・
この屋上みたいな・・“頑張ろう”って思える場所を見つける・・。」
「・・・・・・・・・。」
「だから・・・またいつか・・
会いに来てくれる・・・?」
「・・・・会いに行くよ。
ヤックルに乗って・・・。」
「・・・・・・・・なにそれ?」
「え・・?知らない・・!?」
「そんな安っぽい金曜ロードショーみたいな台詞知らないし。」
「・・・・黒田さんってなんだかんだ結構テレビっ子だった?」
「・・・・・・・別に・・。」
「ヤックルは冗談だけど・・
君に手錠を掛けた人間として、
僕も最後まで見届けるからね。」
「そのせいで余計に寝不足にならないでよね・・。」
「あ、さすがにバレバレだったかな?」
「当たり前でしょ。
お爺ちゃんみたいに背中が曲がってる刑事に、漫画みたいに目にクマが出来てる刑事・・
警察って変な人ばっかりだね。」
「ハハッ・・痛いところを突かれたね。」
「・・“死者が視える”って・・
・・・やっぱり大変・・?」
「そうだね。毎日なかなか大変な事でいっぱいだけど・・でも大丈夫。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「僕もどーにかやるさ。」