生きていこう。それがいいんだ。
「待ちなさいシズカ!!
アタシを捨てないで!!
アタシにはあんたしか居ないんだよぉ!」
大きくなった自分と反比例して、
年々シワが増えていった醜い顔が、
更に醜さを増す気持ち悪い涙と共に、
私にしがみついてくる。
だから“パー”ではなく“グー”の形を作った左拳を思いっきり振りかざして、
「さようなら。」
15年分の一撃を食らわせて背を向けた。
「・・・・・・・・・・。」
あいつ・・まだ生きてるのかな?
もうとっくに死んだかな?
“独りで生きていく”
と、背を向けたあの日から4年。
訪れた大型ショッピングモール。
ちょうど“母の日”が近かった事もあって、特設されていたギフト売り場を目にしたので、
少しだけ・・
あの時の左ストレートを思い出した。