生きていこう。それがいいんだ。
「最後のピースをどう埋めようかずっと考えてる。」
「・・・・?」
「何か良い手はないかな?って、どうやって誤魔化せばいいんだろうな?って。」
「何を?」
「確かに、シズカが提案する作戦を実行したら、間違いなく俺は捕まらない。
捕まるも何も、俺は居酒屋で酒飲んでれば良いだけだしね。」
「・・・・・・・・・・・。」
「でもシズカが捕まるリスクはまだ残ってる。
初めて会った日にも言ったけど、
シズカ本人が良くても、
巻き込んだ責任が俺にはあるから、
“絶対に実行犯も捕まらない”って保証が無いと、まだ行動には移せない。」
「それは防犯カメラの無い場所で殺せば大丈夫だよ。
私と馬鹿息子には1㎜も接点が無いんだから。
完璧に防備して、
指紋やDNAを残さなかったら、
“タケルと繋がる証拠無し”
“馬鹿息子との接点無し”
“現場に指し示す遺留物無し”
・・・警察が“黒田シズカ”に辿り着く取っかかりは何も無いよ?」
「“本来”ならね。」
「・・・・・どういう意味?」
「ここまで話をややこしくさせてしまったのも、
全部俺が“未遂”で失敗こいたからなんだけどねぇ~。」
「・・・・・・・・・・。」